すべてを忘れたときに残るもの
- study-partners
- 2017年4月15日
- 読了時間: 2分

高校数学Ⅰ【図形と計量】の余弦定理に関する授業の板書です。
高校3年生の生徒は、1年生までは成績が良かったのに、2年生でいい先生に当たらなくて、1年生の内容と一緒に勉強へのやる気を失っている様子でした。
でも、
授業を進めていくうち、色々と言葉のやり取りを頻繁に行うのですが、ちゃんとこちらが期待する答えを返してくれるんですよね。それで『あ、この生徒は理解力あるな』って思っていたら、
『なんで(余弦定理の)公式にcosがが入ってるん??』
って尋ねたんですね。
そうなんです!
公式なんて、どうやったら覚えやすいかばかりを考え、そんなことよりも難しい問題を練習することで応用力がつくと思っている人が多いけど、本当は【公式を理解すること】こそ、応用力をつける最適な勉強法です。
その証拠に、過去の東大の入試問題において、数学Ⅱの『加法定理の証明をせよ』という問題が出たり、センター試験において『導関数の定義』を答える問題が出たりしています。
勉強ができなくなる原因はいつくもあると思いますが、つまづいた子どもたちほど、こういった当たり前すぎて考えもしなかったことに、ダイレクトに飛び込んできてくれます。だから、こういう子どもたちこそ、本当の理解力(理解しようとする力)が備わっている。それに対して、周りが正しく応じられなかっただけなんじゃないかって。
そして、数学の公式にはチカラがあって、例えば、余弦定理を理解すればsinを使った三角形の面積公式やヘロンの公式を覚えなくても作ることが容易になる。他にももっと大きなチカラがあるにちがいない。
【それ(教養)は、すべてを忘れたときに残るものであり、
すべてを習った後にでも、なお足りないもの】
(フランスの有名な政治家 エドワード・エリオの言葉】
覚えるだけで忘れるよりも、
理解して教養に昇華できる指導の方が子どもたちにとって幸せだと思います。